【運転免許事典】 点数制度と行政処分(免許停止・取消しなど) 目次


点数制度と行政処分(免許停止・取消しなど)

点数制度とは、過去3年間の違反や事故に一定の点数を付して、その合計点数が一定の基準に該当した時
に、免許の停止や取消し又は免許の保留や拒否の行政処分を行うという制度です。
点数制度による行政処分にはこの他に運転禁止処分がありますが、ここでは取り上げません。
免許の保留・拒否は運転免許試験に合格した人に対し、一定期間免許を与えないということですが、保留の場
合は試験に合格したことは有効なので、保留期間終了後に免許が与えられますが、拒否の場合は試験合格が
無効となりますので、欠格期間終了後に運転免許試験を受け直さなければなりません。
免許の保留の基準は免許停止の基準とほぼ同じで、免許の拒否の基準は免許取消しの基準とほぼ同じです。
また、免許の停止・保留期間中に自動車や原動機付自転車を運転すると、無免許運転になります。



基礎点数と付加点数

基礎点数は違反行為に付される基本的な点数です。
付加点数には二つの種類があります。違反行為が原因となって交通事故を起こした時の付加点数と、その事
故の際にあて逃げの措置義務違反をした時の付加点数です。
違反行為が原因となって交通事故を起こしたり、あて逃げの措置義務違反をした場合には、それぞれの付加
点数が基礎点数に加算されます。
付加点数は違反行為に付加されるものなので、違反行為がない場合には事故を起こしたり、あて逃げの措置
義務違反をしても付加点数だけが付されるということはありません。
同時に2以上の違反行為をした場合には、そのうちの最も高い基礎点数が付され、同じ点数の時はいずれか
の基礎点数が付されます。
たとえば、無免許運転(25点)と追越し違反(2点)を同時にした場合には、高い方の25点だけが付され、追越
し違反の2点は付されません。また、追越し違反(2点)と信号無視(2点)を同時にした場合は、違反点数は同
じなので、どちらかの2点だけが付されます。

基礎点数と付加点数の具体的内容については、『違反行為点数表』のページを参照してください。



一般違反行為と特定違反行為

点数制度上の違反行為は、一般違反行為と特定違反行為に分類されています。
特定違反行為とは、点数制度上の違反行為のうち危険性が高く特に悪質な違反行為で次に掲げるもののこと
で、その他の違反行為が一般違反行為です。

特定違反行為

1、 運転殺人等又は運転傷害等(自動車等の運転により人を死傷させ、又は建造物を損壊させる行為で故意によるもの)
2、 危険運転致死傷
3、 酒酔い運転又は麻薬等運転
4、 救護義務違反(ひき逃げ)

一般違反行為と特定違反行為の具体的内容については、『違反行為点数表』のページを参照してください。



点数計算の方法

違反行為をした時の違反点数と、その違反行為をした日から起算して過去3年以内における一般違反行為と
特定違反行為の違反点数を合計することによって累積点数を計算します。



点数計算の例外

次の場合には、それぞれ過去の違反点数が加算されません。

1、 無違反で運転可能期間が通算して1年となったことがある場合、その期間前の違反点数は加算されません。
2、 違反行為の違反点数が3点以下であり、その違反行為をした日において無違反の運転可能期間が通算して2年(過去3年以内のものに限る)に達していて、違反行為をした後、無違反の運転可能期間が通算して3ヶ月に達したことがある場合、その3点以下の違反点数は加算されません。
3、 違反行為を理由として免許停止の処分を受け、その処分期間を無違反で経過したことがある場合、その処分前の違反点数は加算されません。
4、 違反行為の累積点数が免許の保留となる基準に該当したことがあり、その後6ヶ月間無違反で経過したか又はその6ヶ月の期間内に免許を受けたことがある場合、保留基準該当以前の違反点数は加算されません。
5、 違反行為を理由として免許取消しの処分を受け、その後の欠格期間を無違反で経過したことがある場合、その処分前の違反点数は加算されません。
6、 違反行為の累積点数が免許の拒否となる基準に該当して、その後の欠格期間を無違反で経過したことがある場合、拒否基準該当以前の違反点数は加算されません。
7、 違反者講習を受講したことがある場合には、その理由となった違反行為以前の違反点数は加算されません。

   運転可能期間 免許の効力が停止されていた期間を除く免許を受けていた期間。

点数計算は過去3年以内の違反点数を合計して行うので、過去3年より前の違反点数が加算されないのは言
うまでもありません。




点数制度による処分と前歴

一般違反行為をして処分を受ける場合と、特定違反行為をして処分を受ける場合では処分の基準が異なって
います。

1、 一般違反行為をした場合には、『違反行為点数表』によって求めた違反点数の過去3年以内の累積点数が、次の1の表のいずれかに該当したときに、免許の取消し・拒否・停止・保留の処分を受けることになります。
2、 特定違反行為をした場合には、『違反行為点数表』によって求めた違反点数の過去3年以内の累積点数に応じて、次の2の表により、免許の取消し・拒否の処分を受けることになります。

1、一般違反行為をした場合の表

過去3年以内の免許の
停止等の処分回数
免許の取消し・拒否
(欠格期間)
 免許の停
 止・保留
5年(5年) 4年(5年) 3年(5年) 2年(4年) 1年(3年)
第1欄 第2欄 第3欄 第4欄 第5欄 第6欄 第7欄
前歴がない人 45点以上 40点から
44点まで
35点から
39点まで
25点から
34点まで
15点から
24点まで
6点から
14点まで
前歴が1回である人 40点以上 35点から
39点まで
30点から
34点まで
20点から
29点まで
10点から
19点まで
4点から
9点まで
前歴が2回である人 35点以上 30点から
34点まで
25点から
29点まで
15点から
24点まで
5点から
14点まで
2点から
4点まで
前歴が3回以上である人 30点以上 25点から
29点まで
20点から
24点まで
10点から
19点まで
4点から
9点まで
2点又は
3点

免許取消歴等保有者が、欠格期間内又は欠格期間に引き続く5年の期間内に一般違反行為をして、累積点数
が上の表の第2欄・第3欄・第4欄・第5欄・第6欄に該当することになった時は、欠格期間がカッコ内の(5年)・
(5年)・(5年)・(4年)・(3年)となります。

免許取消歴等保有者 違反行為を理由として免許取消し・拒否の処分を受けた人。

2、特定違反行為をした場合の表

過去3年以内の
免許の停止等の
処分回数
免許の取消し・拒否
(欠格期間)
10年
(10年)
9年
(10年)
8年
(10年)
7年
(9年)
6年
(8年)
5年
(7年)
4年
(6年)
3年
(5年)
第1欄 第2欄 第3欄 第4欄 第5欄 第6欄 第7欄 第8欄 第9欄
前歴がない人 70点以上 65点から
69点まで
60点から
64点まで
55点から
59点まで
50点から
54点まで
45点から
49点まで
40点から
44点まで
35点から
39点まで
前歴が1回
である人
65点以上 60点から
64点まで
55点から
59点まで
50点から
54点まで
45点から
49点まで
40点から
44点まで
35点から
39点まで
前歴が2回
である人
60点以上 55点から
59点まで
50点から
54点まで
45点から
49点まで
40点から
44点まで
35点から
39点まで
前歴が3回
以上である人
55点以上 50点から
54点まで
45点から
49点まで
40点から
44点まで
35点から
39点まで

免許取消歴等保有者が、欠格期間内又は欠格期間に引き続く5年の期間内に特定違反行為をした場合には、
上の表の第2欄・第3欄・第4欄・第5欄・第6欄・第7欄・第8欄・第9欄の累積点数に応じて、欠格期間がカッコ
内の(10年)・(10年)・(10年)・(9年)・(8年)・(7年)・(6年)・(5年)となります。

前歴とは

違反行為をした日から起算して過去3年以内に、次のいずれかに該当したことが前歴となります。

(1) 違反行為を理由として免許停止の処分を受け、その処分期間を無違反で経過したことがある場合において、免許停止の処分を受けたこと。
(2) 違反行為の累積点数が免許の保留となる基準に該当したことがあり、その後6ヶ月間無違反で経過したか又はその6ヶ月の期間内に免許を受けたことがある場合において、免許の保留となる基準に該当したこと。(違反者講習を受講した場合を除く。)
(3) 違反行為を理由として免許取消しの処分を受け、その後の欠格期間を無違反で経過したことがある場合において、免許取消しの処分を受けたこと。
(4) 違反行為の累積点数が免許の拒否となる基準に該当して、その後の欠格期間を無違反で経過したことがある場合において、免許の拒否となる基準に該当したこと。

前歴計算の例外

次の場合には、それぞれ前歴として評価されなくなります。

1、 無違反・無処分で運転可能期間が通算して1年となったことがある場合には、その期間前の前歴は評価されません。つまり、前歴が消えます。
2、 上記の前歴となる(3)・(4)に該当した場合には、それより前の前歴は評価されなくなります。つまり、(3)・(4)に該当したことは前歴となりますが、その前からあった前歴は消えることになります。

   無処分 違反行為を理由とする免許停止・免許取消しの処分を受けなかったこと。

過去3年以内に上記(1)・(2)・(3)・(4)に該当したことが前歴となるので、過去3年より前に該当したことが前
歴とならないのは言うまでもありません。



違反者講習

次の条件のすべてに該当することになった人は、『違反者講習』を受講しなければなりません。

1、 違反点数3点以下の違反行為をして、累積点数が6点となったこと。
2、 前歴がないこと。
3、 過去3年以内に違反行為を理由とする免許の停止・取消し・保留・拒否又は違反者講習受講となる基準に該当したことがないこと。
4、 過去3年以内に道路外致死傷等、悪質な行為をしたことがないこと。

この規定は、「アメとムチ」にたとえると「アメ」に該当するものです。ですから別の表現をすれば、「違反点数3
点以下の違反行為をして累積点数が6点となった人は、他のすべての条件を満たさなければ、違反者講習を
受講することができない。」ということになります。
前歴なしで累積点数6点は、免許の停止・保留の基準に該当しますが、違反者講習を受講すれば免許停止等
の処分は行われません。この他にも違反者講習を受講した場合の特例として次の規定が定められています。

(1) 違反者講習受講の基準に該当することになった累積点数6点は、その後違反行為をした時に加算されません。
(2) 免許停止等の処分が行われないため、前歴になりません。

違反者講習受講の基準に該当した人には、公安委員会から『違反者講習通知書』が送付されます。通知を受
けた人は、通知を受けた日の翌日から起算した期間が通算して1ヶ月となるまでの間に違反者講習を受講しな
ければなりません。ただし、海外旅行・災害・病気等、受講できないやむを得ない理由がある場合には、この1
ヶ月の期間は延長されます。
定められた期間内に違反者講習を受講しなかった場合、免許停止等の処分を受けることになります。
また、違反者講習を受講しなかった人は、停止処分者講習を受講することはできません。

違反者講習には次の2種類があり、どちらを受講するかは受講者の任意となっています。

違反者講習の種類 講習の内容 講習時間
社会参加活動を含む講習
1、 座学等
2、 社会参加活動の体験
3、 考査(感想文を書くこと)
6時間
社会参加活動を含まない講習
1、 座学等
2、 実車・運転シミュレーター操
作による指導を受けること
3、 考査(感想文を書くこと)
6時間

社会参加活動とは、次のような内容の活動です。

1、 歩行者の安全通行のための通行の補助誘導。
2、 交通安全の呼び掛け、交通安全チラシを配るなどの広報啓発。
3、 交通安全チラシ・ポスター等の作成。
4、 カーブミラーの清掃等の道路上の環境整備。
5、 放置自転車の整理・撤去の補助。
など




免許停止・保留の処分期間

点数制度による免許停止・保留の基準に該当した場合の処分期間ついて、基本的な基準が定められていま
す。

前歴の回数 累積点数 期間
前歴がない人 6点・7点・8点 30日
9点・10点・11点 60日
12点・13点・14点 90日
前歴が1回である人 4点・5点 60日
6点・7点 90日
8点・9点 120日
前歴が2回である人 2点 90日
3点 120日
4点 150日
前歴が3回以上
である人
3回である人 2点 120日
3点 150日
4回以上である人 2点 150日
3点 180日



停止処分者講習

違反行為を理由として免許の停止・保留の処分を受けた人は、『停止処分者講習』を受講することができます。
受講するかどうかは任意ですが、受講すれば停止・保留の処分期間が短縮されることがあります。
講習中に考査(テスト)が行われます。考査は講習全般の内容から出題される40問の正誤式問題を20分で解
答する筆記試験による方法で行われ、成績が50パーセント以上の人はその成績に応じて、下の表の『優・良・
可』のいずれかにより処分期間が短縮されます。
考査の成績が50パーセント未満の人は再考査を受けることができます。再考査は講習終了後、日を改めて行
われ、成績が50パーセント以上の人は下の表の『可』により処分期間が短縮されます。
再考査の成績も50パーセント未満の人は処分期間が短縮されません。

下の表は、免許停止処分を受けた人の処分期間短縮の基準です。(免許の保留期間短縮の基準は、これとは
少し異なります。)

免許停止処分日数 講習区分 講習時間 考査成績別短縮日数
30日 短期講習 1日で6時間 29日 25日 20日
60日 中期講習 2日間に渡り10時間 30日 27日 24日
90日 長期講習 2日間に渡り12時間 45日 40日 35日
120日 長期講習 2日間に渡り12時間 60日 50日 40日
150日 長期講習 2日間に渡り12時間 70日 60日 50日
180日 長期講習 2日間に渡り12時間 80日 70日 60日

(考査成績の『優』は85パーセント以上の成績、『良』は70パーセント以上の成績、『可』は50パーセント以上
の成績)

たとえば、免許停止30日の処分を受けた人が考査の成績90パーセントの場合『優』に該当し、処分期間が29
日短縮され免許停止1日となります。
同様に免許停止150日の処分を受けた人が考査の成績80パーセントの場合『良』に該当し、処分期間が60
日短縮され免許停止90日となります。




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